about

プログラムの概要

教育理念・教育方針

当プログラムの教育理念・教育方針は以下の通りです。

教育理念

心やさしく、頼りになる家庭医療・総合診療専門医を育てます。

教育方針

  • 「幅広い診察能力と共感能力に優れ、患者中心の医療を実践できる」家庭医療・総合診療専門医を育てます。
  • 「家族志向のプライマリ・ケアを本気で実践できる」家庭医療・総合診療専門医を育てます。
  • 「地域包括ケア実践し、地域から信頼される」家庭医療・総合診療専門医を育てます。

プログラム特徴

家庭医療・総合診療専門研修プログラム-心やさしく頼りになる家庭医(総合診療専門医)を目指して-

岡山家庭医療センターの中核である奈義ファミリークリニックは平成7年より診療所研修を提供し、30名以上の卒業生を輩出してきた歴史があります。 
平成18年度より地域基幹病院である津山中央病院と連携し3年間の後期研修プログラムを立ち上げました。(平成30年8月時点で修了生は15名)。

このプログラムの3つの特徴

  • 地域における医療連携の中で、後期研修医が診療所(田舎型・地方小都市型)・療養型小病院・第三次医療機関(救命救急センター)を行ったり来たりして家庭医になっていくプロセスです。 
    卒後3年目(後期研修1年目)は内科6ヵ月・小児科3ヶ月・救急3ヶ月などをローテーションしながら家庭医療の勉強会に参加し、卒後4・5年目は中小病院・診療所を中心に研修を行います。
    このプロセスの中で患者を紹介する側とされる側を体験でき、地域のより良い医療連携を促す側面があります。
  • 生物心理社会アプローチの実践です。中小病院・診療所での経験(心理社会的側面に配慮した外来/在宅診療・予防医学)と大きな病院での経験(救急医療・高度医療)を、振り返り・学習・評価を通して同時進行で吸収していきます。
  • 家族全員がかかりつけになりうる地域性を生かして、家庭医の醍醐味を継続性の中で実感してもらえる点です。患者中心の医療や家族志向のケア、地域包括医療といった家庭医療の3本柱を言葉だけでなく、自らの診療を通して学びます。後期研修終了時には家族の木を常に意識した診療が行え、後輩に家族志向のケアを指導できるレベルを目標としています。

プログラムのウリ

うちのプログラムのウリは以下の8つの点です。

  • 家族志向のケア・患者中心のケア・地域包括ケアの家庭医としてのコアコンポーネントの教育を実感を持って受けることができる。
  • 共感能力を含めたコミュニケーション教育(ロールプレイ・ビデオレビュー)。
  • 内科、小児科はもちろん、整形外科、皮膚科、精神科…などバラエティーに富んだ患者さんに診療所で出会え、指導医によるプレセプテリング(直接指導)や診療終了後のカルテチェックでフィードバックを受けることができる。
  • 急性期第3次医療機関、小病院、家庭医療診療所などを経験して、地域医療の全体像をつかむことができる。
  • 診療所研修中も整形外科、精神科、眼科、耳鼻科、産婦人科の開業医や病院専門医から週1コマの専門科研修を継続できる。
  • 後期研修最終学年には週1コマの「地域枠」を活用した、地域でのプロジェクトワークを行える(幼児デイ・ケアでの母親との交流、小・中学校での授業、長寿大学での講義、ワクチン接種率向上のための介入、介護予防健診受診率向上のための介入、地域支援サポーター育成など)。
  • 平成7年より診療所研修を提供し、30名以上の卒業生を輩出してきた歴史。
  • 米国家庭医療学専門医のプログラム責任者のもと、家庭医療指導医による濃厚なマンツーマン教育、後期研修医同士による学習の相互作用(隔月の振り返り発表やインターネットを活用した学習内容の共有)。

心やさしく、頼りになる家庭医(総合診療専門医)になりたいあなた、一緒にそんな家庭医 (総合診療専門医) を目指しましょう。

岡山家庭医療センター長、奈義・津山・湯郷ファミリークリニック所長
家庭医療後期研修プログラムディレクター 松下 明

研修紹介

当プログラムには様々な研修があり、中には他の施設では経験できないユニークなものもあります。それらが、患者さん、家族、そして地域に精通することを促進し、心やさしく、頼りになる家庭医(総合診療専門医)を育てます。

  • 診療所と中小病院、大きな病院

岡山家庭医療センターは3つの診療所(奈義ファミリークリニック、津山ファミリークリニック、湯郷ファミリークリニック)で構成されます。 このうち奈義ファミリークリニックが基幹施設となって岡山県全域の家庭医療・総合診療専門研修を構築しています。Aコースでは上記3クリニックと日本原病院、津山中央病院で岡山県北東部医療圏での研修を行います。Bコースでは岡山県全域にわたる診療所、岡山大学病院を含めた大きな病院群で、自由度の高い研修と岡山県北西部医療圏・ 岡山県北中央部部医療圏 での中小病院での研修を行います。それぞれの診療所・病院では受診する年齢層や疾患分布が異なり、より広範な診療を学ぶことができるとともに、地域の差を肌で感じることができます。

  • カルテチェック

診療の後には、指導医と振り返りを行います。それを通じ、標準的な治療を学ぶとともに、一人では気付けなかった、家族背景などについても知ることができ、家族志向のアプローチの重要性についても学ぶことができます。

  • 木曜勉強会

木曜日の午後は後期研修医と指導医が一堂に集まり、レクチャーや症例検討会などを行います。隔月の振り返りでは各研修医が体験したことを共有し、省察を行うとともに、自己表現や発表の仕方も勉強します。

  • ポートフォリオ

経験した症例についてまとめ、省察することで、自己学習を促進するポートフォリオの作成を3年間の研修を通して行います。年に3回は発表会を行います。また、年に1回中国ブロックでのポートフォリオ発表会でも全員が発表を行います。

  • ビデオレビュー・ロールプレイ

年に1回 、診療している姿を撮影し、医療面接について議論します。知らなかった自分の癖や、改善点を学び、より良いコミュニケーションを目指します。また、年に2回個人や家族のロールプレイを行い、困難事例でのコミュニケーションを学びます。

  • 地域枠

後期研修3年目では週に一コマ(半日)、地域のためになることをするための自由な時間が与えられます。地域を視察したり、健康教室に参加する、さらには講演をしてみたり、ボランティアグループを作ったりと、やれることは様々です。
これらの活動を通して、地域を深く知り、より良くなるようアプローチする方法を学びます。

  • 個人面談

年2回、センター長の松下と個別面談を行います。研修とニーズのすり合わせや、苦手分野の確認と対策、さらには勤務についての要望、ときには家族のことについてまで話が上がります。面談を通して、それぞれにあった研修を提供します。

  • 学習会・ワークショップ・学会

地域枠の他にも、FPCOでは学生向けにワークショップを行ったり、学会での発表などを積極的に行っております。このような会や発表を通じて学ぶことは多く、またその機会に事欠きません。

様々な特徴を挙げてきましたが、これらを通して、深い連帯感を持っていること、みんなで疑問を話し合い、共有する文化が根付いていることが私たちの誇るべき長所です。私たちと一緒に心やさしく、頼りになる家庭医(総合診療専門医)を目指しませんか!

研修終了後の進路

30名以上の卒業生を輩出

茨城県筑波大学総合診療部 准教授1名・スタッフ2名
新潟県新潟市民病院総合診療部スタッフ1名・市中病院1名
福井県診療所勤務1名
愛知県開業1名
三重県開業1名
滋賀県開業1名
石川県開業1名
京都府開業1名
兵庫県開業1名・診療所勤務1名
岡山県開業4名・診療所勤務8名・市中病院2名
広島県開業2名・診療所勤務1名・市中病院2名
山口県山口大学総合診療部 准教授1名・萩市民病院1名・開業1名・診療所勤務1名
島根県島根大学総合医療学講座1名
徳島県徳島大学総合診療部スタッフ1名
大分県大分大学総合診療部スタッフ1名
沖縄県開業1名
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