ストレスを和らげるしあわせホルモン

2025.10.01

目次


セロトニンの分泌を促す“幸せホルモン”とは?

“ふれる”とは、安心安全な空間の中で起こるこころと身体のシンクロ(同調)があってはじめて成り立つ体験です。人は“ふれられる”とき、皮膚にある神経(C触覚線維)を介して心地よさや安心感を体験し、自律神経が安定化することで、オキシトシンという“幸せホルモン”が分泌されます。オキシトンはセロトニンの分泌を促すため、うつを抑えることにも繋がります。


ふれると増えるオキシトシン

オキシトシンは、赤ちゃんがこの世界に生まれ落ち生きのびるために不可欠な力の源泉であり、大人でも傷つきから回復していくための力の源泉です。 “ふれる” “ふれられる”とは人間だけにかぎらず全ての哺乳類(群れることで生きのびてきた動物)に共通したサバイバル機能なのです。


“さわる”は逆効果

いっぽう、“さわる”とは、こころと身体のシンクロを伴わない一方向的な接触です。“さわられる”とは自分にとっての安全な距離感(パーソナルスペース)が許可なく突破され侵入された、無意識の危険な感覚をともなう体験です。自分は尊重されていませんし、信頼関係も形成されません。オキシトシンも分泌されません。人間にかぎらず全ての哺乳類に共通して緊張感、不安感、嫌悪感、傷つき体験を引き起こす場合もあるでしょう。暴力や虐待はその典型です。虐待は相手の生きる力を根底から奪いとります。そしてそんな風に“さわられてしまう”のは身体だけではありません。


まとめ -オキシトンを分泌して健やかに生きるコツ-

  1. 親しい人同士でふれあうこと、抱きしめあうこと。実際に皮膚と皮膚とが“ふれる”ことだけではなく、こころや五感で“ふれる”ことも有効です。
  2. 人に親切にすること、ボランティア活動などで誰かのために何かをしてあげること。
  3. 優しい気持ちで相手の目を見つめること。
  4. 優しい声で穏やかに相手に話しかけること。
  5. ゆっくりとしたテンポ、あるいは落ち着く音楽を聴くこと。
  6. 好きな香り(例えば柑橘系やラベンダー)をかぐこと。
  7. こころを許している人と一緒に食事をし、味わうこと。
  8. こころを許している相手と何かを一緒に行動し、楽しめこと。
  9. ペット(なかでも犬)と過ごし、見つめ合い、撫でること。

感染症対策などで人とのふれあいが難しい場合もあります。そういった場合、まずは自分とのふれあい(自分を愛したり、いつくしんだりすること)を大切にしてみましょう。

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