お子さんの体調不良は、保護者の方にとって大きな不安ですよね。当院では、0歳児からの健康問題、発育・発達の問題、心の問題など、子どもの日常で起こるさまざまな問題について、一般的な小児診療を通じて対応いたします。
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●お子さんの病気・怪我について
お子さんに多く見られる症状と、ご家庭でできる対処法、そして医療機関を受診すべきタイミングを分かりやすく解説しています。ただし、気になることがあればすぐに受診をしましょう。
症状別に分けて掲載しています。お子さんの症状の項目をクリックしてください。
発熱
体温の高さより「元気さ」が重要です
発熱は、様々な病気の兆候として現れますが、体温計の数値だけで重症度を判断することは危険です 。熱が高い時でも、お子さんが「元気さ」を保っているかどうかが、受診を判断する上で最も重要な基準となります。
症状の目安
- 熱の出始めには、寒気や震えを伴って手足が冷たくなることがあります 。
- 熱が上がりきると、手足が温かくなるのが一般的です 。
- 最も重要なのは「元気さ」の観察です。ぐったりしている、顔色が悪い、機嫌が悪いといった様子がないか確認しましょう 。
考えられる病気
発熱の原因として最も多いのはウイルス感染症(いわゆる「かぜ」)ですが、他にも様々な病気が考えられます。
- 突発性発疹:高熱が3〜4日続きますが、比較的機嫌が良いことが多いのが特徴です 。
- インフルエンザ:高熱に加え、全身倦怠感や関節痛が強く現れます 。
- 溶連菌感染症:のどの痛みや発熱に加え、舌がイチゴのように赤くなる症状が見られます 。
ご家庭での対処法
- 熱の上がり始め:寒気や震えがある時は、体を温かくしてあげてください 。
- 熱が上がりきった後:熱がこもらないよう薄着にさせます。氷嚢や水枕などを首、脇、足の付け根など太い血管が通っている部分に当てて冷やすのが効果的です 。
- 水分補給:脱水を防ぐために、こまめに水分を補給させることが最も重要です 。
受診・救急判断のポイント
- すぐに受診が必要な場合
- 生後4ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上発熱した 。
- ぐったりしている、顔色が悪い、機嫌が悪い、嘔吐が続くなどの症状がある 。
- 水分が取れずにおしっこが半日以上出ない 。
- 解熱剤を使っても元気が出ない、発熱が4日以上続く 。
- 迷わず救急車を呼ぶ場合
- けいれんが5分以上続いている 。
- 呼びかけに反応しない、意識がはっきりしない 。
- 41.5℃以上の高熱が出た 。
咳・呼吸が苦しそう
咳の音に注目してください
咳は、乾いた「コンコン」から、犬の鳴き声のような「ケンケン」まで、その音によって様々な病気が考えられます 。呼吸が苦しそうな兆候(肩呼吸や陥没呼吸など)も、重要な観察ポイントです 。
症状の目安
- 乾いた「コンコン」 、痰が絡む「ゲホゲホ」 。
- 犬の鳴き声のような「ケンケン」 。
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という異常な呼吸音 。
- 呼吸のたびに肩が上下する(肩呼吸) 。
- 鎖骨の上や肋骨の下がへこむ(陥没呼吸) 。
考えられる病気
- 百日咳:長引く激しい連続性の咳が特徴で、乳児は重症化すると命に関わる危険性があります 。
- クループ症候群:犬の鳴き声のような「ケンケン」という咳と、息を吸うときのヒューヒュー音が特徴です 。
- 気管支喘息:発作的な「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴と呼吸困難を繰り返します 。
ご家庭での対処法
- 加湿:室内の湿度を50〜60%に保ち、喉や気管の乾燥を防ぎましょう 。
- 水分補給:温かい飲み物や白湯をこまめに与え、喉を潤します 。※1歳未満の乳児にはちみつは与えないでください 。
- 体位の工夫:上体を起こす姿勢にさせると呼吸が楽になります。寝かせる際は、枕を高くするなどの工夫をしましょう 。
受診・救急判断のポイント
- すぐに受診が必要な場合
- 呼吸音が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と聞こえる 。
- 咳がひどく、水分が摂れない、食事が進まない 。
- 生後6ヶ月以下の子ども 。
- 咳が2週間以上続く 。
- 迷わず救急車を呼ぶ場合
- 陥没呼吸や肩呼吸が見られる 。
- 顔色や唇の色が紫色になっている 。
- 息苦しくて横になれない 。
- 呼びかけに反応しない、意識がはっきりしない 。
嘔吐・下痢
最も警戒すべきは「脱水」です
嘔吐や下痢は、体の水分が失われる主要な症状であり、特に子どもは脱水症に直結するため注意が必要です 。
症状の目安
- 脱水症状の兆候に注意しましょう:唇や舌が乾いている、おしっこが半日以上出ない、泣いても涙が出ない、目がくぼんでいる、肌に張りがないなど 。
考えられる病気
- ウイルス性胃腸炎:子どもの嘔吐・下痢の最も一般的な原因です。ロタウイルスは白っぽい下痢が特徴で、重症化しやすい傾向があります 。
- 腸重積症:可能性は低いものの、緊急性の高い病気です。周期的な激しい腹痛と、イチゴジャムのような血便が見られるのが特徴です 。
ご家庭での対処法
- 脱水予防:嘔吐が治まるまで胃を休ませ、その後、経口補水液や赤ちゃん用イオン飲料を少量ずつこまめに与えます 。冷たい飲み物は胃腸を刺激するため避けましょう 。
- 食事:無理に食事をさせる必要はありません。水分補給が安定したら、消化の良いおかゆ、うどんなどを少量から始めましょう 。
- 感染対策:ノロやロタウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、嘔吐物や便の処理には薄めた塩素系漂白剤を使用します 。
受診・救急判断のポイント
- すぐに受診が必要な場合
- 脱水症状の兆候が見られる 。
- 飲み物を飲んでもすぐに吐いてしまう、1日に何度も嘔吐や下痢を繰り返す 。
- 便に血が混じっている、または白っぽい便が出る 。
- 激しい腹痛がある 。
- 迷わず救急車を呼ぶ場合
- ぐったりしている、意識がもうろうとしている 。
- 激しい腹痛が続く、お腹がパンパンに張っている 。
- 緑色の胆汁を吐いた 。
- けいれんを伴う。
発疹(ぶつぶつ)
熱の有無で対応が変わります
子どもの発疹は、その見た目や熱の有無、かゆみなどの随伴症状によって様々な病気が考えられます。自己判断は危険ですので、注意深く観察することが重要です 。
症状の目安
- 皮膚が盛り上がらない「斑」 。
- 皮膚が盛り上がる「丘疹」や「膨疹」 。
- 発疹の形や色、かゆみの有無、熱などの他の症状と併せて観察しましょう 。
考えられる病気
- じんましん:皮膚がもこもこと盛り上がり、強いかゆみを伴います 。
- 突発性発疹:高熱が下がった後に全身に赤い発疹が出ます 。
- 手足口病:手、足、口の中に水ぶくれ状の発疹ができ、発熱は微熱程度であることが多いです 。
- 麻疹(はしか):一度熱が下がった後に再び高熱と全身の発疹が出現する「二峰性発熱」が特徴です 。
ご家庭での対処法
- 掻かせない工夫:かゆみがある場合は、爪を短く切る、冷たいタオルや保冷剤で冷やすなど 。
- 温めない:特にじんましんは、体を温めると症状が悪化するため、入浴や厚着は避けましょう 。
受診・救急判断のポイント
- すぐに受診が必要な場合
- 発疹以外の重い症状(ぐったりしている、元気がないなど)がある 。
- 発熱を伴う発疹の場合 。
- 迷わず救急車を呼ぶ場合
- 全身に広がるじんましんで、腹痛を伴う 。
- 呼吸困難や息苦しさを伴うじんましん 。
- 顔や唇が急に腫れぼったくなった 。
- 手足に小さなあざ(紫斑)がたくさん出ている 。
頭部打撲・けいれん
緊急性の見極めが重要です
お子さんが頭を打ったり、けいれんを起こしたりした時は、保護者の冷静な対応が重要です 。
症状の目安
- 頭部打撲:たんこぶや出血、へこみ 。繰り返しの嘔吐、意識の変化、手足の動きの異常などに注意 。
- けいれん:体全体または一部がガクガクと震え、目が一点を見つめる、意識がなくなるなど 。
考えられる病気
- 頭部打撲:軽いたんこぶで済む場合がほとんどですが、頭蓋内出血や骨折といった重篤な合併症の可能性も否定できません 。
- けいれん:発熱に伴う「熱性けいれん」が最も一般的ですが 、髄膜炎や脳炎・脳症といった危険な病気の初期症状の可能性もあります 。
ご家庭での対処法
- 頭部打撲:出血があれば清潔なタオルで10分程度圧迫止血 。たんこぶができたら、タオルで包んだ氷や保冷剤で冷やします 。
- けいれん:まずは冷静になり、子どもを揺さぶったり、大声を出したりせず、静かに見守りましょう 。呼吸を確保するため、体を横向きにし、口の中に物を入れないでください 。
可能なら動画を撮影しておくと診療の参考になることがあります
受診・救急判断のポイント
- すぐに受診が必要な場合
- 頭部を打った後、繰り返しの嘔吐、強い頭痛、機嫌が悪いなど「いつもと違う」様子が見られる 。
- けいれんが初めての場合 。
- 迷わず救急車を呼ぶ場合
- 頭部打撲後、意識がない、けいれんしている、出血が止まらない、打撲部位がへこんでいる 。
- けいれんが5〜10分以上続く 。
- けいれんが止まっても意識がはっきりしない、顔色や唇が紫色になっている 。
●専門家への相談と救急医療の活用
子どもの急な体調不良で迷った時、公的な相談窓口を活用することで、適切な判断をサポートしてもらえます。ぜひ活用してみてください。
小児救急電話相談 #8000
子どもの急な病気や怪我に関する対処法、受診すべき病院について、小児科医や看護師からアドバイスを受けられます。
相談対応可能な時間が限られていますので、下記のサイトにてご確認くだしさい。
●エピペンの処方について
当クリニックではアナフィラキシー治療薬 エピペンの処方を行っております。
エピペンは、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)症状の発現時に用いられる補助治療剤です。アナフィラキシーショックの発症を防ぎ、その進行を一時的に緩和する役割があります。なお、エピペンは携帯可能なアドレナリン自己注射薬で、すぐさま使用することが可能です。しかし、根本的な治療を行うものではなく、使用後は速やかに医師の診察を受ける必要があります。
エピペンの処方が必要な方としては、過去に蜂による刺傷や食物、薬物によってアナフィラキシー症状を経験した方、またその可能性がある方が挙げられます。また、他の原因によりアナフィラキシーショックのリスクが存在する方も、この治療に適応する可能性があります。
当クリニックでは、エピペンの適正な使用法についての説明と共に、保険対象となる処方を行っております。
エピペンについて、その他の疑問や不安についてはお気軽にご連絡ください。