ごあいさつ
昨日より今日が今日より、
明日がもっと幸せに。
清風會は、『患者様、利用者様に自律していただくこと。元気になってもらうこと。』を目的に活動してきました。それと同じくらい大切にしているのが、働いている人が仕事を通して充実した人生を実感できることです。
患者様により良い状態になってもらうには当然、知識・技能・技術は必要です。ただ、それだけではなく、接するわたしたちの思いや気持ち、姿勢が「患者様のために」ということが第一になっているか。それが大切なことなのです。
地域の皆様や患者様のために柔軟に考え変化できる、そういう人の集まりでありたいと思っております。
21世紀になり、日本は世界でもまれな高齢社会を迎えることができました。ただ、それと引き換えに生まれた「苦悩」や、置き去りにされかけている「たいせつな何か」が見えはじめました。世の中が便利になり医療が進歩する一方で、その限界も感じています。
「健康に暮らすこと」「健やかに育つこと」や、本来の「治癒」ということについても考えるようになりました。介護で「お世話」しすぎると、人間本来の生きる力を奪ってしまうのではないか、ということにもわたしたちはやっと気づくようになりました。
それに、やっぱり、暮らす場所は住み慣れたまちがいい。
“健康”に暮らし、“人間らしく”在り、“その人らしく”生き、「生きていてよかった」と実感できているか。医療崩壊、介護難民、家族の絆や倫理の炎が揺らぎ徐々に荒れていく世の中で、わたしたちは医療機関として何が提供できるのか。こう考えながら新しい世紀を迎え、10年以上が経過しました。そこで出した答えの一つは、原点に還ることでした。
清風會の原点は、初代理事長のプライマリ・ケアと在宅支援にあります。赤ちゃんからお年寄りまで家族ぐるみ、地域ぐるみで支える。彼は支える医療からスタートしました。それはまさに、わたしたちの大切な核の一つである家庭医療の実践でした。
そして、在宅支援、自律支援のためのリハビリテーションをもう一つの大切な核として、これからの時代の福祉と医療を愚直に実践し、明るくいきいきとした人生を支えたい。
昨日より今日が、今日より明日が、ともに幸せであってほしい。住み慣れたまちで、自分らしく過ごせる、そんな地域づくりをしていきたい。わたしたちは、いま、こう考えています。
清風會 理事長
森崇文